疑問って、次から次へと出てくるね(^^; というわけで その2です。
いちごな疑問 (その2) |
このコーナーでは、いちごを調べていて「これってどういう意味?どういうこと?」と思ったものを集め、私なりに調べてみました。 皆さんが、いちごを購入する時のヒントにしていただければと思います。 ※私的に調べたものです。正解かどうかは皆さんで考えてね。(私はこうだと思ってます) |
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実について | 大きな苺の秘密ってなんだろう?どうしたら出来るの? 花のところでも話しましたが、大きな苺は大きな花から出来ます。 大きな花を咲かせるには、丈夫な苗を育てる必要があります。 また、「品種による違い」や「摘花」などの栽培方法でも変わってきます。 Q、品種による違いって? 品種の違いは、2種類あります。 1つは、雌しべの数が多いタイプの品種です。 雌しべが多い=種だと思っているゴマ粒状の「痩果(そうか)」が多い。ということなので、クッションの役目をする「花托(かたく)」もたくさん出来ます。(いちごな素性の果実参照) 花托がたくさん出来たら苺も必然的に大きくなります。 1果実あたりの細胞の数(雌しべなど)が多く、それが均一に成長するので大きな苺になるようです。また、このタイプの品種は固めの締まった苺になります。 もう1つは、雌しべの数は少ないが細胞が大きく肥大するタイプの品種です。 細胞が大きく肥大することで雌しべが少なくても大きな苺になります。 肥大するのは細胞の中に水分が大量に蓄えられたため(悪く言うと水ぶくれ)で、代表的な品種は「章姫」です。 この品種は細胞が水ぶくれした状態のため、柔らかい苺になります 本来ならば章姫のタイプは水っぽくなるのですが、章姫は酸度が低いので甘く感じ、柔らかい歯ごたえになります。水分が多いという欠点を上手くカバーして成功している品種ですね(^^) 時々、章姫の印象を「モソモソ」とか「モサッ」と感じるのは、このあたりが原因かも・・・。 Q、摘花(てきか)って? 摘花・・・果実の発育を助けるため、余分な花やつぼみを間引くこと。 これによって、栄養分が果実に集中し甘みが蓄積されやすくなる。 粒数が減ってしまうが、甘みのある苺が収穫できる。 そして、次に出てくる花房に、早くから養分が使われるため、しっかりした花房ができる。 すなわち、大粒のいちごが出来やすくなる。 現在の日本では、小粒よりも大粒のほうが評価されやすい。 |
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実について その2 |
空洞果ってなんだろう?どうして出来るの? 以前、ゲストブックにピロさんから質問があって、調べたことをまとめてみました。 Q、空洞果ってなに? いちごの中心が空洞になっていること。 空洞は「ずい」の内側(芯の部分)にできます。 Q、空洞果はどうしてできるの? 空洞果は果実が大きくなっていく過程に秘密があるようです。 果実が大きくなる順序は、まず細胞が分裂して、次に細胞が肥大して大きくなっていきます。 「ずい」が起点になって果実の内側と外側に、それぞれ成長していきます。 外側の成長に、内側の成長がついていけない時、内側に空洞ができてしまうようですね。 また、種子(果実の表面にあるツブツブ)から出る植物ホルモンの作用で果実が肥大します。そのため、もともと「ずい」の内側の成長よりも、種子に近い外側の成長が優先されてしまうようです。 外に向かって、どんどん大きくなっていくのに内側の成長が十分でなく、大きくなった空間を埋めることができない時に空洞になるのでしょう。 空洞果が発生し易い条件として下記の条件を聞いたことがあります。 ・栽培中に肥料が多い時 ・品種の違い ・大果になると出やすい ●肥料が多い時 一つの花の中にできる、めしべの数が多くなります。めしべは、下から上に向かって順番に出来上がっていくので、下のめしべと上のめしべの、成長の差が大きくなります。 そうなると、「ずい」の外側と内側の成長の差に加えて、果実の上と下との成長の差も大きくなります。 その成長の差が、ひずみになって果実の中が割れてしまうと考えられます。 ●品種の違い 「大きな苺の秘密」でもいいましたが、めしべ(種子)が多いタイプ(果実あたりの細胞の数が多い)も、肥料が多い時と同じように、成長の差が生じます。 反対に、めしべが少ない「章姫」タイプは、成長の差があまりなく空洞が出来にくい品種といえます。 ●大果は出やすい 大きな果実ほど大きな花からできるので、果実の上と下との成長の差は大きくなります。 その他に、灌水の頻度や気温も影響していると思われます。 灌水の間隔が長く、土が乾いたり湿ったりする度合いが激しいと 、細胞が成長したり、成長がとまったりする度合いもひどくなるそうです。それも果実の内部で成長差のひずみになることが考えられます。 「成長差のひずみ」は品種であったり、生育途中の管理などが条件で起こり、空洞果になりやすいのかな。 こんな資料があります。 高温でイチゴを管理すると空洞果は出来にくいが、果実は小さくなり糖度も下がる 。 低温で管理すると、果実は大きくなり糖度も高くなるが、空洞果も出来やすい。 という研究結果が発表されています。 一番の問題は「一般の消費者が、どれだけ空洞果を気にするか?」ですね。 空洞果を気にするあまり、甘さと大きさを抑えるよりも甘くて大粒のイチゴのほうが売れるでしょうから・・・。(^^) 産地としても空洞果は意識しているけど、それほど気にはしていない。 「品種の個性」という感じ。 だから、あまり研究もされていないんでしょう。 ※空洞果の発生原因については詳しく研究されていないようです。 それほど重要視されていないということでしょうか。 私は気にしませんけど・・・(^^) |
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